業務内容

酪農のお仕事は、主に「哺乳」(仔牛にミルクを与える仕事)「育成管理」(エサくれ・種付け・管理)「種付け」(人工授精・移植をする)「乾乳牛の管理」(妊娠牛の管理・エサくれ)「搾乳」(乳を搾る)「牛舎の掃除」(糞尿を搔き敷料を入れる)「畑作業」(牧草の収穫・コーンサイレージの収穫準備)、「堆肥処理」(牛舎などから出た糞尿を処理する)「搾乳牛の管理」(体調管理など)などの日々毎日行う作業や「牛の出産・助産」など牛の状況などに行う作業などがあります。下記に、それぞれ具体的な作業内容について説明をしていきます。

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哺育

哺育とは生まれた仔牛にミルクを与える仕事になります。生まれた仔牛は約2か月~3か月間は仔牛専用の粉ミルクや生乳(親のミルク)などを飲みながら育ちます。哺乳期はミルクを飲むだけでなくスターターと呼ばれる配合飼料を離乳に向けて食べられるように練習もかねて早い時期から与え始めます。そして哺乳期が終わる数週間前から牧草の食べる練習をします。

肉用子牛の管理・出荷

肉用仔牛とは、乳牛とは違い言葉の通りお肉になるための仔牛のことをいいます。種類としては乳用種の雄や黒毛和種・交雑種の3種類になります。※牛乳を出せるのは人と同じで女の子のみです。
乳牛は将来お乳を出せるようになるようなサポートがしながら育てていきますが、肉用子牛の場合は繁殖農家さんや肥育農家さんへ出荷されていったときに育てやすく増体・発育の良い牛になれるようなサポートしながら育てています。

繁殖管理

乳牛の繁殖は酪農の継続に欠かせません。発情の兆候を見逃さず、適切なタイミングで人工授精を行う必要があります。基本的に生後11か月~12か月頃から種付けを開始します。牛の成長にも個体差があり、わざと授精遅らせる場合もあります。そしておよそ9ヶ月半ほどの妊娠期間を経て出産となります。出産時の立ち合いや必要に応じて助産も行います。

育成牛の管理

育成牛とは生まれてから離乳するまでを哺育牛といいますが、離乳してから妊娠するまでの牛を「育成牛」といいます。離乳をすると配合飼料や牧草を食べ、授精適期を迎えるころには体重がだいたい300kg程になります。育成牛期間の管理や発育の良しあしは繁殖能力や生乳を出す能力に影響してしまうといわれていて大切なお仕事になります。そして妊娠すると育成牛から出産を経験したことがないという意味を含めて「未経産牛」と呼ばれるようになります。

分娩 助産

牛の出産も人と同じで命がけになります。基本的に自然分娩で産んでくれる子のほうが多いですが、一人で産むのが困難で助産が必要になってくる牛もたまにいます。その為産気づいた時から観察をしっかり行い、正確な判断や技術が必要になってきます。そして母の強さ・子の健気さを「新たな命」をというものを間近で感じられるお仕事です。

清掃

酪農牧場は日々の清掃を欠かせません。牛に「おいしい」「沢山」のミルクを出してもらうためには”健康に”、”ストレスなく”過ごしてもらう必要があるので、できる限り清潔に保つ必要があります。また、なにより飲食物を生産している場所でもあるので、日々の管理としてできる限り牧場を清潔に保っておくことは生産者として最低限の仕事です。清掃場所は搾乳作業場所や機器の清掃はもちろんですが、牛が普段からすごしている牛舎の清掃も行います。牛は生き物ですので、糞尿をします。その糞尿の処理を機械に乗り、清掃を行います。これも1日のうちの立派な仕事です。

搾乳作業

搾乳とは、文字の通り牛のミルクを搾る作業のことです。酪農は牛のミルクを搾り出荷することで生計を立て、売り上げの過半数を占めています。搾乳は日々欠かせない作業であり、1日の中で多くの時間を費やす大切な仕事となります。
一般的な牧場では、1日の搾乳作業を朝と夕方の2回に分けて行います。なぜ朝と夕の2回なのかというと、牛のミルクは人間のお母さんと同じで、赤ちゃんを産んだ後からミルクを搾ることができます。ずっとミルクが出続けるわけではありません。1日の間にできる限り同じくらいの時間を空けて搾るのがよいとされているので、だいたい12時間ずつ時間を空けて搾ることになります。したがって、朝と夕の2回に分けて搾乳を行います。

堆肥処理

牛舎などから出た糞尿を処理する施設で水分調整や切り返し・攪拌を行い、発酵させて牛糞堆肥を作るお仕事になります。
牛糞堆肥は畑に撒き循環させたり、近隣の野菜農家さんに使っていただいたり、戻し敷料としても活用し、地に返し、再利用することによって環境保全に努めています。

畑作業

当牧場では、牧草地や畑でエサ用のトウモロコシを育て、刈り取り、収穫する仕事も行っています。主に機械に乗ることのほうがかなり多いですが、作業を進める際の判断や準備もあります。牧草地は年に3回、トウモロコシ年に1回の数少ないイベントのようなものだったりします。普段の作業とはまた違ったやりがいや楽しさのあるお仕事です。